2011/05/29

花押を作った時の話

エンジニアですが、全く関係のない花押(かおう)の話を書きます。

ご先祖はともかく、僕は武将でもないし、大臣になる予定も今の所ありませんが、自分の花押を持っています。初めて自分の花押を作ったのは学生時代、伊達政宗さんの鶺鴒(セキレイ)を模した花押にある針の穴の話を知ったときです。「花押カッコイイ!」という好奇心と「大人になったら使うかもしれない」という勢いだけで作ってみる事にしました。

何が言いたいか先に結論を書くと、いつ戦国時代になってもいいように、またはいつ入閣してもいいように日本人たるもの花押の一つぐらいは用意しておくべき、です。

花押とは

Wikipediaによれば「花押」は下記のように記述されています。
花押(かおう、華押)は、署名の代わりに使用される記号・符号をいう。元々は、文書へ自らの名を普通に自署していたものが、署名者本人と他者とを明確に区別するため、次第に自署が図案化・文様化していき、特殊な形状を持つ花押が生まれた。

花押は、主に東アジアの漢字文化圏に見られる。中国の唐(8世紀ごろ)において発生したと考えられており、日本では平安時代中期(10世紀ごろ)から使用され始め、判(はん)、書判(かきはん)などとも呼ばれ、江戸時代まで盛んに用いられた。世界各地においても、花押の類例(イスラム圏でのトゥグラなど)が見られる。 (引用: 花押 - Wikipedia)

花押はどうやって作る?

名前が必殺技みたいな龍枝堂百錬製(墨)
「花押作るか!」と思い立ったのですが、作り方がよくわからないので困りました。

大学の図書館で花押について調べて、具体的な作り方は得られなかったものの、花押とは本来、自分の署名であり、主に自分の名から文字をとり図案化するという事を学び、「ロゴを作るようなものか」と思って自分の名前から構成する事にしました。

本名を積極的に公開しているわけではありませんが、本名出しているところで最も閲覧者が多いであろう「メール:オープンソースのバウンスメール解析システム BounceHammer|gihyo.jp … 技術評論社」の記事で漢字表記で出しているので、どんな作り方をしたか学生時代の記憶を掘り起こしつつ書いてみます。

漢字辞典と筆ペンを用意せよ

成り立ちを思い出して書いた
僕の名前は漢字表記すると``邦之''と書きます。先ずは名前に使われている漢字の成り立ちを漢字辞典で調べる事にしました。高校生の時以来眠っていた「漢語林」が大活躍です。

漢語林で見た所、漢字よりもそのソースとなった絵や篆書体の方が花押を構成する部品として使いやすい気がしたので、それらを紙に書き写して組み合わせを考えつつ筆ペンで書いてみて試行錯誤しました。筆ペンは結婚式かお葬式に持って行くあれでしか使う機会の無かった「ぺんてる筆」です。署名なのですらすら書けるというのも重要な点です、たぶん。

ロゴ作成みたいなもんか、と安易に考えていたのですが、たまに趣味でロゴを作ったりしていたせいか、バランスや全体の美しさを考えて書いて練習して、書道の心得がないわりには、うまいことできた(自画自賛)気がします。

右記の画像に於いて、どうやって作ったかを公開しているのでこれもある意味ではオープンソースかもしれません。

余談: ハンドル名

少し話をずらすと、インターネット上でハンドル名として使っている``azumakuniyuki''は本名そのままです。インターネットを使い始めた1995年ごろ〜数年は本名ではないハンドル名を何種類か使っていましたが、暫く使っていると飽きてくる→変更する→メールアドレス再取得は面倒(当時は今みたいに簡単に変えられなかった)という繰り返しになり、どないしたもんかと思案しました。

そうして、自分で考えた名前は飽きる?→名前は人にもらうもの→そういえば親からもらった名前があるやん→本名なら100年後ぐらいに戒名貰うまでは使うし飽きるとか以前の話やもんね、という結論に至り、``azumakuniyuki''になりました。

花押ができた!

非ゆきだるまバージョンの花押
話を戻して、左記の画像が学生時代に作ったやつの面影が最も残っている花押で、土曜日に書いたものです。当時書いた紙は残っていないので、細かい部分はたぶん変化していると思いますが、僕の花押です。筆の使い方と写真写りが悪いのは僕の鍛練が足りない証左ですが、ともかく僕の花押です。

のっけてる画像が基本形ですが、細かい部分が少し違うのもあるので花押は複数の種類があることになります。

理由はわかりませんが、昔から雪だるまが好きなので、2000年代に入ってから花押の雪だるまバージョンも作りました。最初に作った花押をよく見ると、○が2つ、丁度雪だるまのような形で入っているので「これ然り」と。

使う機会

作りきっかけのひとつに「大人になったらつかうかも」と書きましたが、大人になった今も使う機会は全くありません。使う機会がないというより、花押を書いていいものかどうかよくわからん、というのが正直なところです。

例えば不動産の契約書には署名と押印をしますが、名前の後に花押を書いて「変なもの書くな、書き直せ」と突っ返されたら面倒なので書いた事はありません。最近花押を書いたのは菩提供養のための写経をした時ぐらいです。

次の内閣改造で入閣要請があって承諾した場合は閣議決定時に花押が活躍する予定ですが、そんな要請は来る気配すらありません。

しかし、あまりにも使わないと自分の花押を忘れてしまうので、年に一回か二回は紙に書いてはいます。この時に細かい部分が少し違うバージョンの花押が派生する事もあります。

花押は普段使わない筆をとってみる良い機会にもなりそうですし、伝統的な文化ですし、誰が押しても同じである印鑑よりは、本人にしか書けない花押の方が署名としても有効であると思いますが、社会の慣習から消えてしまっているとしたら惜しい事です。

そうでもない

ここまで書いてふと、Twitterで「花押」を検索したら以外と沢山のTweetが出てきて、その中から「人数限定【美しきマイ花押づくりワークショップ】|茶会スタイリスト岡田和弘のCHAKAI日記」という催事告知を知りました。``茶の湯の世界では度々登場する''とありますので、僕が花押に縁のないところに居るだけで、花押って一般的なのかもしれません。

そのうち自分の書いたソースコードに花押のアスキーアートでも入れるか、と企んでいますので、オープンソースで公開しているbounceHammerのソースコードに僕の花押が入るかもしれないです。

関連サイト



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